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第1分科会
「生活保護110番の現場から」
〜「適正化」という名の人権侵害〜
担当/神奈川青年司法書士協議会・生活保護分科会担当部
生活保護は、国が生活に困窮するすべての国民に対し「健康で文化的な最低限度の生活」の最低水準を保障し、自立を助けてくれる制度です。しかも、保護の要件(あらゆる努力をしても、最低限度の生活を維持できない)を満たす人であれば、その理由を問わず、無差別平等に受けることができるという最終にして最強のセーフティネットです(太田のり子著「プチ生活保護のススメ」15頁)。
しかし、生活保護に関する一般的なイメージとして、「65歳以上でないと受けられない」「住所がないと受けられない」「年金をもらっているから受けられない」「生活保護を受けると生活が制限される」などと思われています。どうしても、否定的なイメージが強く、受給後も負担が多いと思われがちです。
こう思われている原因の一つに、相談者への行政担当者の対応が挙げられます。生活保護は、その人の能力・資産を最大限活用し、さらに年金や各種給付等を受けても、なお最低限の生活が送れないことが要件とされており、(ただし、急迫した事由がある場合は除く)、行政担当者はこのことを理由に、生活が困窮している者に対しても、生活保護の申請をできるだけさせまいとする「水際作戦」をし、生活保護受給者に対しては生活保護を取りやめるような対応をすることが多く見受けられます。
本分科会では、一般に生活保護規制制度が誤解されているのではないか、また、生活保護申請に関する行政担当者の不当な対応により生活保護を受給できるにも関わらず受給できず生活に困窮していたり、また、現在生活保護を受けているにも関わらず様々な問題を抱えている方が多く存在するのではないかと考え、平成16年6月27日に「生活保護110番」を開催し、「生活保護一斉申立て」を実施いたしました。
今回の分科会では、こうした生活保護の現場の声や、「生活保護110番」「生活保護一斉申立て」の結果の報告とともに、神奈川でのホームレス支援団体との連携や、生活保護制度に関する第三者機関(オンブズマン)の創設に向けた提言や今後の生活保護制度の運用に関する課題を検討してみたいと考えています。
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