80年代後半、日本はいわゆるバブル景気の只中にありました。あふれかえる金と物と快楽を謳歌していた時代でした。「日本人」は贅沢に慣れ、いわゆる3Kという職業をさけるようになりました。
人件費は高騰し、切れ間の無い注文をさばくため、中小企業経営者は、人件費の安い外国人労働者に目をつけました。
ある南米の男性は、家族を養うために仕事を求めて日本に渡りました。ある東南アジアの女性は豊かな生活を夢見て日本に「タレント」として渡り、そこで「日本人」男性と結婚しました。
しかし、そこに待ち受けていたのは、バブルという幻の崩壊でした。
日本人は、幻からさめると、今まで恩恵に預かっていた「外国人」をあっさりと切り捨てました。仕事を求めて南米から渡った男性は、様々な弱みに付け込まれ、低賃金で劣悪な労働を強いられています(この男性は、労働条件に苦情を言うと、不法在留をたてに脅されました)。東南アジアから渡った女性は、離婚をせまられ、生まれた子供と引き離され、慣れない日本にそれこそ着の身着のまま放り出されました(この女性は、在留許可更新の申請ができず、子供と離れて自国へと帰らざるを得ない状況です)。
バブル期以降日本に来た「外国人」は言われ無き差別を受け続けています。
労働の問題。住居の問題。医療の問題。「外国人」女性への虐待…
なぜ、このような問題が起きるのでしょうか。
なぜ、私達は、「外国人」を同じ「人間」として見ることができないのでしょうか。
なぜ、私達は、「人間」として生きる前に「日本人」として行動してしまうのでしょうか。
「外国人」を取り巻く様々な問題には、
「自分をは異質なものへの恐怖から来るものを排除する」
という差別の構造の原型が隠されています。
この「差別のこころ」を乗り越えずして、安心のある社会は築けません。
私達は、この分科会で「外国人」その中でも80年代以降に日本に来た「ニューカマー」と呼ばれる人々が置かれている現状を紹介し、そして私達にいったい何ができるのかを皆さんとともに考えていきたいと思います。
また、業務に役立つ資料もご用意しております。
皆様のご参加をお待ちしております。
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